情報科学芸術大学院大学[IAMAS]の修了生で神戸芸術工科大学准教授の金箱淳一氏を講師に迎え、大垣の街中を探索しながら気に入った音をiPadのアプリケーションで録音し、その音を再生するタッチパッドを自作して楽器を制作するワークショップを開催しました!
【開催概要】
◆日時 令和5年1月22日(日) 11:00~17:00
◆会場 情報科学芸術大学院大学[IAMAS](大垣市)
◆講師 金箱淳一氏(楽器インターフェース研究者・神戸芸術工科大学准教授)
◆参加者数 8名
◆内容 会場はソフトピアジャパン・センタービルに入るIAMASの教室をお借りして開催しました。当日は、「清流の国ぎふ」マスコットキャラクターのミナモも応援に駆けつけてくれました。
講師は障がいの有無にかかわらず共に音楽を楽しめる「共遊楽器」を研究・開発されていて、作品「楽器を纏う」の開発経験を基に東京パラリンピック閉会式の演出でも使われました。手の振りやギターを上下することでセンサーが反応して音が出る弦のないギター、ボックス状の一面を叩くとその振動が離れた別のボックスに伝わる楽器など講師が開発した「共遊楽器」のいくつかを参加者も体感しました。
その後、iPadにインストールされている「Koala Sampler」というアプリケーションを使って音を収録する方法を習いました。音楽に仕立てるためには、高音域、中音域、低音域の各音域ごとに最低1つの音を収録するとよいとのアドバイスがありました。昼食休憩も兼ねて、各自iPad持参でフィールドレコーディングに出かけました。
午後からは、収録した音を講師が独自に開発したデバイス(直径8㎝程度の円盤状の機器)とペアリングして、タッチすると音が出る仕組みのタッチパッドを制作する作業に取り組みます。まず、収録した音源とデバイスのタッチポイントを対応付けして最大6音源が再生できるようにします。その後、デバイスの端子とタッチパッドをコードで接続します。ラジオペンチを使ってコードの両端の被膜を取り除いて芯を出し、タッチパッド側には眼鏡型端子を使い、デバイス側にはボルトとナットでそれぞれ接続します。タッチパッドを好きな形にハサミで切って服の好きな場所に両面テープで取り付け、最後にデバイスとのペアリングを行って完成です。
身体に付けたパッドに触れると音が出る仕掛けで、押さえる力加減で音の大きさも変わります。参加者全員がステージに上がって、苦労して制作したパッドを身に着けて、全身を使って音楽を披露しました。「水都大垣」らしい水の流れる音、エレベーターの音、飲食店内の音、昼食に食べたラーメンをすする音、パンを取り出す時の袋を破る音などなど普段何気なく聞き流している音に焦点を当てて収録した音を長短、強弱のリズムを付けてオリジナルな音楽を奏でていました。
◆参加者の声◆「少し難しかったけど、音について知れて楽しかった」「自分で音を探してアレンジできたのがおもしろかった」「初めての体験ができて良かった」など、不慣れなアプリケーションやデバイスを駆使して、自分だけの楽器を作って街中に流れる音を再認識した貴重な講座となりました。