実施報告

2022.03.30
アートラボぎふ

手漉き和紙「薄美濃」を『結ぶ』 紙からタピスリーを作ろう! 実施報告

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「薄美濃」と呼ばれる手漉き和紙から「和紙糸」を作り、それを「結ぶ」ことで繊細に編み上げたタピスリーや額製品に仕上げる体験講座を開催しました!

 


【開催概要】

◆日時  令和4年3月19日(土) 10:30~15:30

◆会場  丸佐商店(美濃市)

◆講師  中谷さとみ氏(紙布工房「空桜」主宰)

◆参加者数  7名


◆内容  当初1月29日(土)に開催する予定でしたが、オミクロン株の猛威による第6波の到来で新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から延期することとし、このたび3月19日(土)に開催する運びとなりました。会場は美濃市のうだつの上がる町並みにある「丸佐商店」。ここは、空き家を利活用して2019年10月にオープンした店で、運営するのは美濃市内にある㈱マルサ研磨巧業 代表取締役の猿渡英昭さん。1階は店舗で、猿渡さんが作る包丁と様々な作家さんが作るアクセサリーや雑貨が並ぶ。その2階のレンタルスペースをお借りして開催しました。

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講師の中谷さとみ氏は、奈良県大和郡山市の観光施設「箱本館紺屋」で藍染めのインストラクターをする傍ら、紙布織を手掛け、全国の和紙産地を巡る中、手漉き和紙「薄美濃」に魅了され、2020年4月に美濃市に移住。経・緯糸共に和紙糸で織る「諸紙布」を中心に創作活動を続け、紙布工房「空桜」を主宰。当日は中谷氏の制作したストールやバッグなどの作品が会場内に展示されました。

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講座は、まず最初に講師が手漉き和紙「薄美濃」から「和紙糸」を作る工程を紹介した映像を参加者に見てもらいながら、制作工程を理解してもらうところから始まりました。講師が愛用するのは、美濃手漉き和紙職人で伝統工芸士の加納武氏が漉く「薄美濃」で、当日は急遽、加納氏も会場に駆けつけていただけました。その「薄美濃」をあらかじめ5mm幅にカットし、水分を全体に含ませたものを講師が準備いただけ、それを丸めたものを石板のうえで両手で押し付けながら転がす「揉(も)む」作業を行い、そしてそれを広げて、また揉んで広げて、揉んでを繰り返して細い糸状にしていきます。

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次に、和紙の端のつながっている部分を交互に裂いて1本の長い糸にする「績(う)む」作業を行った後、糸車の代替品としてスピンドルを使用して「縒(よ)る」作業を行います。スピンドルの先のヒートンに和紙糸を引っ掛けたものを宙で回して縒りをかけ、それをスピンドルの輪っかの下の棒に巻き取ります。それを熱湯に5分程度浸しておけばアイロンを掛けたのと同じ状態となり、縒りが固定されるとのことです。

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昼食休憩をはさんで午後からは、和紙糸を使って作品作りに挑戦です。午前中に作った和紙糸はすべて完成していないため、あらかじめ講師が準備いただいた機械和紙糸を使います。最初に講師が分かりやすいように白糸と赤糸を使って「平結び」を実演します。それに倣って、参加者の皆さんは練習用にストラップを編み上げた後、タピスリー作りに取り組みました。細かな作業に、参加者の皆さんは一心不乱に「平結び」と「七宝結ぶ」を組み合わせて編み上げ、素敵なタピスリーの姿となって現れてきました。時間内には完成しなかったため、持ち帰って各ご家庭で続きを編み上げていただきました。

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【完成見本】

 

◆参加者の声  「絶対経験できないような内容で学びがありました」「楽しく参加させていただきました」と和紙から糸を作るという貴重な体験を積んだ講座となりました。

 

 

  

 

 

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