NHK Eテレ「にほんごであそぼ」のセット衣装を担当するなど、コスチュームアーティストとして広告、演劇、ダンス、バレエ、映画、テレビなどその発表の場は多岐にわたる ひびのこづえ氏を講師に迎え、「ちいさな生きものブローチ作り」講座とホワイトアスパラガスによるダンスパフォーマンス「WONDER WATER」を開催しました!
【開催概要】
◆日時 【第1回目】令和4年3月5日(土) 講座:10:00~12:30
公演:14:00~14:45
【第2回目】令和4年3月6日(日) 講座:10:00~12:30
公演:14:00~14:45
◆会場 ぎふ清流文化プラザ(岐阜市)
◆講師 ひびのこづえ氏(コスチュームアーティスト)
◆参加者数 講座:54名 公演:283名
◆内容
【ちいさな生きものブローチ作り】
講師が舞台やテレビの仕事で衣装を作ったときに残ったきれいな生地や衣装の断片を使って、きれいな色の糸でチクチク縫いながら、ちいさな生きものブローチを作ります。普段見慣れている自然を感じてほしい、象のように大きな動物でもブローチにすれば「ちいさな生きもの」になる、人間だって広い世界から見たら「ちいさな生きもの」であるとの講師の想いで始まった講座。会場は、ぎふ清流文化プラザの2F、長良川ホールのホワイエで開催しました。
冒頭、講師から制作手順の説明がありました。舞台やテレビの仕事で衣装を作ったときに残った生地や衣装の断片を一つひとつ棒状に巻いて片方を輪ゴムで留めて大切に保管しておき1片の生地も無駄にしないこと、危険防止のため針は1本だけ使うこと、作業机の上はきれいに整理整頓しないと良い作品が作れないことなどの話があり、講師の衣装づくりの取り組み姿勢・思想を垣間見ることができました。
まず最初は作りたい生きもののデッサンです。皆さん好きな生き物を描き始めます。その後、色鉛筆で色を塗りますが、布を選ぶ段階であれこれ迷わないように、あらかじめ色を決めて、その色の生地を使うようにとのアドバイスがありました。
デッサンを描き終えたら、次は生地選びです。講師に準備いただいた沢山のカラフルな生地の中から、デッサンにした色の生地を選んで必要な分だけハサミで切り取ります。そして、刺繡用の太めの糸を付けた針の中から好みの色の糸が付いた針を1本だけ使います。ハニカム状の布(台座)の上にデッサンと同じ形の生地を置いてチクチクと縫い付けていきます。初めて針を持つ小さなお子さんも、お母さんに見守られながら上手に縫い進めていました。最後に安全ピンを付けてブローチの完成です。
ブローチが完成した参加者から順にブローチを胸に付けて前に出て講師から講評を受けました。フワフワの生地を使った可愛らしいウサギやパンダ、黒猫、犬、カラフルなクラゲ、カニ、ヤモリ、花などなど、個性あふれる作品に講師からは「布を立体的に使って技術がある」「布を重ねて使うなどの工夫がみられる」「ギャザーを付けてとても素敵!」「色使いが素晴らしい!」などお褒めの言葉をいただきました。完成したブローチを胸に付けて午後から開催のパフォーマンス公演「WONDER WATER」を鑑賞しました。
【WONDER WATER】
午後からは、ぎふ清流文化プラザ2Fの長良川ホールで、講師が制作した衣装を纏って美しい海の中を表現したダンスパフォーマンスを開催しました。サーカスや大道芸、ダンスで活躍する谷口界さんとハチロウさんのサーカスユニット“ホワイトアスパラガス”が、クラゲ、イソギンチャク、海藻、魚などのカラフルな衣装に身を包み、川瀬浩介氏の音楽に合わせたアクロバティックな身体表現とジャグリングで、幻想的な水中の世界を生き生きと描き出しました。暗い会場内に設えられた舞台にはミラー板が敷かれ、上から照らすスポットライトが反射し、まるでそこだけ海の中に太陽の光が降り注いでいるかのような神秘的な空間の中で、パフォーマーの水の中にいるような繊細な指先の動きやバルーンを利用した衣装のゆったりとした動きなどが、観客を海の中の世界へといざないました。時にはわざとミスをしておどけたりするなど笑いも誘い、親子連れの多い会場内は感嘆のため息と笑いに包まれていました。
◆参加者の声 「いろいろな素材のかわいい布に囲まれて幸せだった」「ひびの先生の考え方も丁寧で、参加者の自主性を尊重されて素晴らしいと思った」「ホワイトアスパラガスのパフォーマンスが大変楽しく、7歳の娘も本当に楽しそうだった」「短い時間でしたが、ステキな海の世界を楽しめました。とにかく衣装が素敵」「衣装のゆったりと落下する動きも海の中を表現していて素晴らしかった」と、子どもから大人まで参加者の皆様に楽しんでいただけ、大変満足度の高い講座となりました。