写真による文通を通して想いを伝える写真の撮り方を学ぶ写真実技講座(2回シリーズ)を開催しました!
【開催概要】
◆日時 【第1回目】令和3年12月11日(土) 11:00~15:00
【第2回目】令和4年 2月19日(日) 13:30~16:00
◆会場 ぎふ清流里山公園(美濃加茂市)
◆講師 野村佐紀子氏(写真家)
◆参加者数 10名
◆内容 週替わりで違うテーマにまつわる写真を撮影して文通相手と交換し、最後に自分の撮影した写真と文通相手の写真で1冊のアルバムを制作する講座を開催しました。参加者が写真で文通をする相手には、東濃実業高校写真部の生徒さんにご協力いただきました。毎回、ぎふ美術展写真部門にご応募いただいているご縁で、同校写真部顧問の渡辺先生に趣旨を説明したところ快く引き受けていただけました。
プログラム開催の前に講師が同校を訪問し、講師がどのような写真を撮っているのか知ってもらうために講師の撮影した主な作品をスライドで観た後、校内の教室、廊下、階段などで生徒さんのポートレートを撮影しました。夕闇の中でライトやレフ板を使っての本格的な撮影で、プロの写真家に自身のポートレートを撮影してもらえるとあって、緊張しつつも素敵な写真が出来上がりました。
【第1回目】
会場は初冬のぎふ清流里山公園です。当日は、「清流の国ぎふ」マスコットキャラクターのミナモも応援に駆けつけてくれました。最初に、講師から週替わりで撮影してもらう写真のテーマの説明がありました。①近所の花、②果物、③座り心地の良いベンチ・椅子、④一番好きな人、⑤今日の朝ごはん、⑥まるいもの、⑦夜8時にあなたに見えてるもの、⑧私だけの秘密基地、⑨生まれて最初に見た風景、⑩夢の10のテーマです。参加者と東濃実業高校写真部の生徒さん双方が各テーマに沿った写真を毎週撮影し、アートラボぎふ事務局にデータを送付して、事務局から写真を印刷したポストカードを双方に郵送する形で文通を行うもの。それを10回繰り返して、お互いに文通相手が撮影したポストカードを受け取り、第2回目の講座でそれらを1冊のアルバムにするもの。その後、講師の撮影した主な作品をスクリーンに映して写真家としての活動紹介がありました。
昼食休憩をはさんで午後からは屋外に出て講師による参加者のポートレート撮影です。初冬の青空の下、公園内にある能楽堂の舞台、落ち葉の絨毯の上、吊り橋の上、古い小学校を移築した建物の廊下などで10名の参加者のポートレートを撮影しました。太陽光を反射させて眼に光の点が映るようにとの光のとらえ方なども教えてもらいながら、参加者が交替でレフ板を持ちました。
【第2回目】
第2回目もぎふ清流里山公園で2月19日(日)に開催しました。当日は寒い日となりましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策のため、窓を開放しての開催です。最初に、今回の文通相手としてご協力いただいた東濃実業高校写真部の紹介VTRを観て、皆さん、私の文通相手はあの子かな、この子かなと想像を膨らませていました。
次に、参加者自身が撮影した写真と文通相手から送られてきた写真各10枚づつを台紙に貼り、そして講師に撮影してもらった自身のポートレートを表紙に貼り付けてアルバムを完成させました。
その後、10のテーマごとに参加者が撮影した写真と文通相手の写真を順次スクリーンに映し、参加者が写真に込めた想いや文通相手から送られてきた写真への感想などを発表しました。鳥の頭の頭巾を被った自称「鳥事務員」の女性が相手に贈る写真には毎回「鳥事務員」が登場し、相手がどのような感想を持ったのか聞きたいとか、写真を通して相手の想いや考えなどを想像するのが楽しかった、次はどんな写真が届くのかと毎週楽しみにしていた写真が届かなくなることの喪失感を味わったなどの感想が聞かれました。中には、同時に写真を贈っているにもかかわらず形状が似ていたり、双方が影を撮影したり、どちらも顔の絵を描いたパンやオムライスだったり、はたまた、お互いに自身の姿が映ったミラーだったりと不思議とシンクロした写真が届いたことに驚きと共に感激ひとしおの参加者もありました。
講師からは、相手のことを想像したり自分の写真がどう思われているかを考えると面白い、贈った写真に影響されて相手の写真が変わってきていることが面白い、写真を通して知らない相手の人物像がどんどん出来上がっていくのを聞いていると面白いといった講評がありました。
◆参加者の声 「プロの撮影現場を体験できるなんてなかなかないことであり、大変良かった」「企画コンセプトが良かった。とても楽しめた」と、プロの写真家に自身のポートレートを撮影してもらえた満足感と、見知らぬ相手との写真だけの文通を通した高揚感とで、参加者の皆様に楽しんでいただけた講座となりました。