岩絵具の持つ質感が存分に活かされた描画を楽しんでいただく日本画実技講座を開催しました!
【開催概要】
◆日時 令和3年12月5日(日) 10:00~17:00
◆会場 岐阜県水産会館(岐阜市)
◆講師 長谷川 喜久氏(日本画家、名古屋芸術大学教授)
林 真氏、福本 百恵氏、帆刈 晴日氏、山守 良佳氏
◆参加者数 19名
◆内容 長谷川喜久先生による毎年大好評の日本画実技講座を開催しました。当初は9月5日(日)ハートフルスクエアGにおいて開催する予定でしたが、デルタ株の猛威による第5波の到来で新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から延期することとし、このたび12月5日(日)に会場を岐阜県庁前にある岐阜県水産会館に変更して開催する運びとなりました。
毎回新たな日本画の技法が伝授されるとあって大変人気の高い本講座。今年で第4回目となる今回は、ただ絵具を書き重ねていくだけでなく、下地効果を表出させる研ぎ出し技法を中心に新たな画面の魅力を引き出していきます。
まず最初に、講師に準備いただいた花鳥風月のモチーフや各自が準備したものを下図として構成を考え、カーボン紙を使ってF4号の白麻紙パネルに転写します。その後、1色の絵具で地色を全面に塗ります。これは、後でサンドペーパーで削った時に紙地が出ないようにするためのもので好きな色を塗ります。その上から各部分に絵具を盛り上げるように塗っていきます。ここがポイントであり、薄く塗ると削ったときにすぐ取れてしまうのを防ぐためであり、今回の作品作りの肝であるとのことです。そしてもう一つ大切なのが、隙間をあけて塗っていくこと。例えば、花びらを描く場合に、明るい部分と暗い部分を塗る際に少しだけ隙間(髪の毛1本分でもよい)をあけて塗る。そうすることで、後で黒なり白なり1色で塗った際に、その隙間に黒や白の絵具が入り1本の線になるとのこと。そして、完成を予想してベースカラーを塗ります。この時も、先程と同様に、描きたい物と背景の間に隙間をあけて塗っていきます。
次に、これまで苦労して描いた作品の上から、黒や白など好きな色1色を全面に塗ります。自分の中で完成形をイメージして、明るくするのか暗くするのか決め、中途半端な色は使用せず白か黒が最適であり、下地が消えるくらい思い切ってベタっと塗ることが大切とのこと。そして、絵具が乾いたらサンドペーパー(P100)で削って下地の絵を研ぎ出します。ここで気を付けなければならないことは削りすぎないこと。慎重にゆっくり削っていき、一番いいところで止める。最後に、掃除機で絵具の粉を綺麗に吸い取って完成です。
参加者の皆さんが制作した作品は、講師の先生方の作品と共に、12月8日(水)から12月27日(月)まで、岐阜駅前の岐阜シティ・タワー43の4階にある「ぎふチャンアートギャラリー」に展示してグループ展「岩絵具≒楽シイ! アートラボぎふ実技講座日本画展」を開催しました。
◆参加者の声 「毎回素晴らしい! 引き出しの多さにただただ感謝」「素晴らしい。先生に丁寧にご指導いただきました。先生のアドバイスが体にしみてきて嬉しいです」「普段では経験できない画材・画法を体験できて大変有意義でした」「長谷川先生はじめ、先生方がとても気さくに優しく指導してくださり、良い時間を過ごせました。ありがとうございました」と今回も大変満足度の高い講座となりました。