月刊誌『美術の窓』で「お悩み解決 立島惠に訊け!」を好評連載中の講師による出張ライブ相談会を開催しました!
【開催概要】
◆日時 令和2年11月15日(日) 13:00~17:00
◆会場 正法寺(岐阜市)
◆講師 立島 惠氏(佐藤美術館学芸部長)
◆参加者数 11名
◆内容 毎年大好評の本プログラムを、地域に根ざした伝統工芸の粋を集めて作られた『岐阜大仏』のある正法寺で開催しました。
古田菜穂子ダイレクターの挨拶の後、正法寺の小林孝道住職の案内で、『岐阜大仏』(岐阜県指定重要文化財)を見学しました。『日本三大仏』の一つと言われ、高さ13.6mの迫力の大きさに圧倒されつつも、やや下を見下ろすような高貴でお優しいご尊顔を拝し、一同、心を癒される時間を共有しました。
その後、再び庫裏に戻って相談会が始まりました。「わた絵」を制作している参加者からの「売ってほしいと言われるが、いくらの値を付けていいか分からず販売することを悩んでいる」というお悩みには、「アーティストは最初は安い値段を付けるのが定石。知名度が上がると徐々に上げていく。額装するなど見せ方が大事。ブレークは突然やってくる。突然売れるようになることがある。それまで気持ちをしっかり持って作り続けることが大事。あとはSNS等を使って多くの人に知ってもらうことが重要」との講師のアドバイスがありました。
また、公募展での入選経験はあるが入賞には至っていない参加者からの「入選と入賞の違いは何なのか」という相談には、「コンクールに入選すること自体大変なことで選外の方が多い。コンクールには向き・不向きがある。自分の個性を見てくれる審査員がいるかどうか分析することも必要。あまり深刻に考える必要はない。焦らないで、ここまで来ているという部分が分かればそれを大切にして、自分の気持ちの中で熟成させることを大事にした方が良い。そうすれば結果が後からついて来る」とエールが送られました。
スペシャルゲストとして、日本画家の長谷川喜久氏と、『美術の窓』編集部の佐藤愛美氏にもご参加いただき、表現者の立場からのご意見も聞くことができました。
創作で壁にぶち当たり「鬱」を経験した参加者からの「創作がうまくいかないと自分を追いつめてしまう。もっと楽しく描きたいと思い、創作活動を拡げて自分というものを表現していきたい」というお悩みに対しては、長谷川先生から若い頃にある先生から言われた「辛い時には辛いものを作ればよい。楽しい時には楽しいものが作れる。自分の感情と直結したことを続けられるのは幸せなことだ」との言葉が披露され、「その時の感情をダイレクトに出せる活動を持てていることをすごく喜びとしている。辛い時はそのまま辛いものを描く。自分から出てくるものがその時の自分の鏡みたいなもの。自分の心の中を再確認して落ち着きを取り戻す素になっていると自覚している。そうした付き合い方も作品にはある」とのアドバイスがありました。
参加者からのお悩み相談が終わった後、参加者同士でお互いの作品を見せ合ったりして交流する方や、持参したポートフォリオを講師の先生に観てもらい相談に乗ってもらう方もありました。
当日の様子は、後日発売の『美術の窓』でも紹介されます。
◆参加者の声 「楽しかった。勉強になった。共通の悩みがあったりして、自分が聞けなかったことを他の方が聞いてくださった」「皆さんのお話と先生のアドバイスを聞くと、乗り切るヒントが見つかった気がしました」と、参加者それぞれのお話をじっくり聞いていただいたうえで、勇気と希望を与えていただいた貴重なプログラムとなりました。