参加者をオンラインで結び、スマートフォンのアプリを使用して画面をタップして展開する作品を制作する講座を開催しました!
【開催概要】
◆日時 令和2年11月8日(日) 10:00~16:00
◆会場 オンライン講座
◆講師 クワクボ リョウタ氏(情報科学芸術大学院大学[IAMAS]教授)
◆参加者数 5組7名
◆内容 今年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点からワークショップの様式を再考し、オンラインによるプログラムも取り入れました。エレクトロニクスを使用したインタラクティブなデバイスアート作品や、光と影によるインスタレーションなどを制作・発表しているクワクボリョウタ氏を講師に招き、「アートラボぎふ」初となるオンライン講座を開催しました。クワクボ先生、アシスタントの星あずみ氏(IAMAS学生)、各参加者、古田ダイレクター、そして事務局をZoomで結び、パソコン画面を通してのやりとりです。中には親子で参加いただいた方が2組ありました。
講座が始まる前に、まず参加者の受付入室許可を行い、参加者全員が入室した段階でクワクボ先生からパソコン・スマホの環境確認とZoomやチャットの使用方法について説明がありました。
講座はまず講師の自己紹介から始まり、これまでに制作した作品紹介に続きます。1999年から2009年までは、いわゆる「デバイスアート」とよばれる「ビットマン」「ビデオバルブ」「ニコダマ」などの作品を紹介。そして、最近の作品として光と影によるインスタレーション作品「10番目の感傷(点・線・面)」や2017年札幌国際芸術祭で発表された丸山動物園での展示などの作品が紹介されました。
次に、「分岐」の映像表現の先駆けとして制作された伊藤高志「SPACY」の映像を各自のデバイスで鑑賞しました。「分岐」が本日制作する作品のテーマであり、古くはすごろくゲーム、迷路のように参加者の意思によって結果が変わるといった「分岐」の仕組みを使ってオリジナルのストーリーを制作しようとするもの。使用するソフトはProttとPrott Viewer。各自がインストールし、講師が使い方を丁寧に指南。撮影した写真を加工して、特定の部分をタップすると次の写真が現れ、また別の部分をタップすると違う写真が現れ、その繰り返しによってストーリーが展開されるという仕組みです。90分の昼食休憩時間を挟み午後にかけて各自写真を撮影し、Prottを使って次々と展開されるストーリーを制作しました。
各自制作した作品の共有アドレスを事務局へ送付してもらい、事務局でQRコードを生成し講師へ展開。各参加者が制作した作品を講師の講評と共に皆で鑑賞しました。果物や野菜が調理されていく世界、春夏秋冬の風景写真と俳句の世界、「清流の国ぎふ」マスコットキャラクター「ミナモ」の七変化の世界、コロナ禍にあって手指に潜む常在菌の世界など、それぞれの世界を紡ぎだしていました。
◆参加者の声 「クリエイティブな時間と技術的な時間が両面あり刺激的でした。他の方々の作品も見れる事でさらに楽しく、あーしたら?こーしたら?とアイデアがふくらみました」「午前中の『分岐』に関するご説明もとても面白く、物事の考え方や整理のしかたも参考になりましたし、時間や空間を再構成して表現している作品も印象的でした」と、パソコン画面を通しての初のオンライン講座でしたが、参加者の皆様に満足いただけたプログラムとなりました。