現代アートとは何かを学ぶ2回シリーズの講座の第2回目を開催しました。現代美術という言葉に代えて現代アートという言葉が使われるようになった背景を講師によるレクチャーと映画「ヨーゼフ・ボイスは挑発する」でたどりました!
【開催概要】 チラシはこちら(PDF)
◆日時 令和元年11月9日(土) 13:30~17:00
◆会場 ぎふ清流文化プラザ(岐阜市)
◆講師 桑原 鑛司氏(Art Award IN THE CUBE企画委員会委員長)
◆参加者数 21名
◆内容 「現代アート」とは何か?・・・第1回では、現代美術という言葉が時代の最先端の美術を指していた1980年ころまでの作品を通観しました。
アートという言葉が美術(絵画、彫刻)と同じ意味であったその時代の中で、マルセル・デュシャンは他とは全く違う考え方を示していました。「芸術が社会に対し何をなし得るか」を問いかけるもので、芸術家が身体をつかって行う様々な表現活動であり、絵画や彫刻とは異なるものでした。しかしこのような状況は、美術を絵画、彫刻のことだと思っている人々にとっては違和感を感じざるを得ないことでした。絵画でも彫刻でもないこれらの活動が「現代美術」の中で語られることによる混乱です。この不透明な状況は20年近く続きました。
そしてこの頃では、「現代美術」という言葉に代えて「現代アート」という言葉が盛んに用いられるようになりました。今では「自由表現」とでも言うべきジャンルを展開しつつあるように思えます。芸術とは必ずしも美術、文学、演劇、音楽、舞踊などとカテゴライズされるものではなく、むしろそれらが総合的に結びついた表現活動こそが本来の姿であろう。現代アートの作品は、これらのカテゴリーの幾つかが有機的に組み合わされたものがほとんどです。このような作品に「現代アート」という新たな呼称が与えられたのも分からなくはない。「現代美術」のままでは複合的な芸術表現のことを示すことが出来ないからだということでした。
その後、映画「ヨーゼフ・ボイスは挑発する」を鑑賞し、より理解を深めました。
◆参加者の声 「デュシャンの作品について説明してくれて良かった。」「現代美術を分かりやすく聞けました。ボイスの映画も良かったです。」「ボイスを初めて知りました。人を巻き込む人だなと思いました。」「漠然として『現代アート』という概念が少し理解できた。」「むずかしかった。映画も一度では理解がむずかしいが、新鮮だった。」など、講師の説明と映画により「現代アート」への流れをより理解する講座となりました。