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2021.08.15
ぎふ美術展

【工芸部門クローズアップ】奥行きのある立体展示空間

 工芸部門の応募は今回、89点。

 我が国の文化財学の泰斗・三輪嘉六審査員長と、当代随一の備前焼作家・隠﨑隆一審査員が、数々の意欲的な試みの品を前に驚きをもって見入り「工芸とは何か」を改めて自問された多彩な作品群です。入賞・入選に選ばれた47点のいずれもが独創的で、従来の「工芸」の枠をはみ出したような挑戦的なものもいくつかある…そんなわくわくする作品を、最初は各先生それぞれがメモ用紙と付箋を手にしてじっと見つめる、そうしていつしかお二人が短くお言葉を交わしておもむろに評価が定まっていく。その過程を審査会で目の当たりにすることができました。

 そうして展示のご指導をいただき、材質も、用途も、色合いも、質感も全く違う作品群が、両先生の手にかかると不思議な調和をもって、立体作品らしい奥行きのある展示に変わっていきました。経験豊かな学芸員の審美眼がさらに見事な仕上がりを実現しました。選りすぐった入選作品のなんと個性的で魅力的なことか。どうぞ、展覧会場で直にご覧ください。

奥行きのある展示空間.JPG四季の想い出がぎっしるり詰まった「午後のまどろみ」.JPG鉄の本質を体現した「鉄錆のバラ」.JPG

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